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振り返ると…



2011年も最後の日になってしまいました。

今、12月31日大晦日の午後6時18分です。

今年も残り5時間42分で終わりを
告げようとしています。

本当に久しぶりに自宅でゆっくり考える
時間ができたので、今私が考えている本心と
本音をこの手紙を書きながら、2011年を
振り返っていこうと思います。

通年の今頃は、

「お客様の御家族は新居で笑いの絶えない
お正月をむかえるだろうな〜」

「工事途中のお客様は、来年の引き渡しを
楽しみにしているだろうな〜」

「社員のみんなは、仕事が忙しくて今年は
家族サービスもあまりできなかったから、
正月は家族で楽しくやってもらいたいな〜」

など、皆様の笑顔を思い浮かべ、頬がゆるむような
感情を持ち、来年の目標や達成したいことを考え
ワクワクする日だと思います。

ですが、今年は180度違う感情を持っています…

「雨の日に雨漏りにおびえるT様」

「地震で地盤が斜めになってしまい、サッシから
すきま風が入り寒い思いをしているS様」

「大雨の日や満潮を迎えると、海水が家の
すぐ近くまで押し迫ってくる状況でお正月を
迎えるI様と近隣の方々」

明るい新年を迎えるお手伝いをできなかった皆様に
思いを馳せながら、どこか寂しいような、申し訳ない
気持ちを持ち、新しい年を迎えようとしています。

来年こそは、皆様の笑顔を思い浮かべられる
大晦日にしたいと、今本気で感じています。

震災から今日まで、約9ヶ月半の間、伊藤建設全員で
必死になって頑張ってきました。

ですが、できる事もあれば、できない事もありました。

一人一人、一家族一家族と同じ目線になって
頑張って来たつもりでしたが、年内中に全ての
お客様のご希望、ご期待に応える事が
できなかったのも事実でした。

お客様から怒られた時もありました。

思い通りにいかなくて、怒りを覚えた
瞬間もありました。

今まで経験した事のないほど、落ち込んだ
事もありました。

毎日のように、お客様の痛みや苦しみ、
怒りを抑えようかと弁解を考えている自分が
いたのも事実です。

そして、この異常な忙しさはいつまで続き
私はいつまで耐えられるのだろう?と挫折感を
感じる瞬間も幾度もありました。

ですが、私たち伊藤建設は全員で可能な限り努力し
力を出し合い、協力しあって、精一杯やって来た事だけは
解って頂きたいと心から思います。

私にとって、今年は言わば『弁解』の年でした。

震災後に何通か書いたメッセージにも、弁解を
書きました。お客様の顔を見ては弁解をしていました。

ですが、

『今日限りで弁解は最後にします。』

私の仕事は弁解するのではなく、多くの方達に
安全で住みやすい家を提供するのが真の仕事です。

先ほどもお話しましたが、全てのお客様のご要望や
ご期待に添える事はできませんでしたが、

沢山のお客様から、

「ありがとう」

という言葉をいただきました。

言われるだけで、本当に嬉しい言葉です。
感謝される仕事をできるという事は、
すごく幸せな事だと思います。

そして私も『感謝』の気持ちをもつ出来事も
沢山ありました。

震災直後から、宮城県には県外から沢山の
ボランティアの方々が無償で来て助けて
頂きました。

不休で支援物資を届けてくれた方も、沢山
いらっしゃいました。

その、一人一人の思いと行動が沢山の勇気を
与えてくれたり、笑顔という人間にとって最高の
プレゼントを下さったと思います。

私たち伊藤建設も事務所を失いましたが、沢山の
お客様や取引先の方々に勇気と希望を与えて
いただきました。

『感謝』という言葉では言い表せないほど、本当に
あたたかい気持ちにさせていただきました。

私たちは、お客様の「住まい」を造るという
大変ありがたい仕事、そしてお客様の御家族の
未来を守る重要な仕事をさせていただいています。

本来であれば、お客様お一人お一人に、与える立場で
あるのにも関わらず、与えていただいてばかりの
一年だったかも知れません。

ですが、そのおかげで沢山の気づきを頂きました。

例えば…

家を建てるという行程の中には、表に出ない
沢山の方がいます。

山で木を伐る職人がいます。

伐った木を製材所まで運んでくれる人がいます。

丁寧に製材する職人がいます。

製材した材料をトラックに積み込む人がいます。

トラックで現場まで運んでくれる運転手さんがいます。



その材料をそれぞれの職人さんが真心を込めて、
お客様と私たちが一緒に考え抜いた一生ものの
「家」を完成させてくれます。

1つ1つの事、一人一人の思いや責任など、一棟の家を
造るのに、沢山の人達の力が合わさって、お客様から
満足していただける家が完成すると言う事実を
改めて考える事ができました。

一生の財産であり、家族の結晶でもある「家」を
伊藤建設を信頼していただき、施工をさせて頂き
10年後、30年後も満足頂ける家を建てる為には
一人一人が力出し合っていく事が大事だと、今
本心で感じています。

震災の日から、ボランティアの方、物資を運んでくれた方々、
そして被災地に住まわれている、一人一人の力が合わさって
成り立ってきたのだと思います。

伊藤建設は一人一人の力は決して大きくは無いかも
しれません。

しかし、21人のスタッフや職人の一人一人の力を
合わせる事で100%以上の力を出す事が可能なのだと
今年1年で確信する事もできました。

今年、教えられ、感じた「感謝」の気持ちと
「団結の力」の素晴らしさを忘れる事なく
2012年も前進し進化する伊藤建設であり続けます。

最後になりましたが、

2011年、伊藤建設に沢山の力を与えてくれて、

「ありがとう」

これが、2011年あなたに伝えたい最後の
言葉とさせて頂きます。

気がつけば、あと40分で今年も終わり
新しい年が始まろうとしています...

2011年12月31日(土)
午後11時21分、自宅にて…

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