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震災から100日の今...


忘れる事のできない3月11日の地震から100日…

あの日から27日間は、ライフラインの復旧の遅れ、ガソリンの不足などで、
思うように動くことができず、4月に入ったあたりから、本格的にお客様の
安否確認や建物の点検などをさせていただけるようになりました。

残念な事ですが、津波の被害に遭われたお客様もいらしました。

幸い津波の被害がなかった地域に伊藤建設で施工させていただいたお宅は
構造上の被害もなく私共の建築に対する自信になりました。

そして、お客様のお知り合いやご友人で家の修理の必要なお宅のご紹介を
多数頂けた事は私共にとってとても喜ばしいことでした。

ポジティブに考えれば私共を信頼していただいており、大事な友人をご紹介
していただいたのだと考えております。本当に嬉しく思っています。

しかし、正直にお話させていただきますが、伊藤建設を信頼していただき、
ご依頼をくださった工事、見積りの遅れが発生しているというのが、
現在の当社の現実です。

この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

5月は修理の工事依頼を沢山いただいたのですが、建築材料の不足などの理由で
工事ができず、ご依頼いただいたお客様のお宅の現状把握する事しかできず、
歯がゆさが残る毎日でした。

そして、6月に入り徐々に材料も入ってくるようになり修理の工事を開始する
ようになりました。そして7月に入り多くの修繕工事をさせていただき、
当初考えていたよりも物事が安易ではないという事が理解できました。

私共の仕事は「家を造る」のではなく、快適で安心して住まう事のできる空間を
造る事だと私は考えております。

こんな事を言ってしまうと気分を悪くされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
仮設住宅であれば「仮の住まい」なので不具合があっても多少目をつぶるという
事もできるかもしれません。

ですが、私たちが手がけているのは仮設ではなく一生住み続ける家を建てたり、
修理をさせていただく仕事なのです。

ですので、手抜きは一切できません。絶対にしてはいけないのです。

そして、家の修理といっても金額的にも安いものではありませんし、一軒一軒の
現状をきちんと把握し、きちんとした内容のお見積りをさせていただき、
工事の内容、見積りに納得して頂く必要があると考えております。

そして、私たちが持っている力を使い工事させていただき、安心して生活して
いただけるように修理をさせていただきたいと思っております。

津波の被害に遭い、一階部分が浸水したあるお客様がいらっしゃいます。

そのお客様は、なかなか連絡が取れなかったのですが、
4月になって会社に電話がありました。

「津波で一階部分は浸水したけど、イトケンさんで丈夫な家を建ててくれたから
傾くこともなく、一階部分も掃除をして窓とかを直しせばまたここで生活できそうです!」

という内容の電話でした。ですが津波を被った家なので一度点検を
させていただく事にしました。点検させていただいた結果行かした部分には
ヘドロがびっしりと蓄積し、それを取り除かないと臭いもひどくなるし、
家の土台部分が腐れてしまいます。

その作業を早く行わないと近い将来、その家には住む事すらできなくなってしまいます。

安心して生活するために最低限、電気、ガス、水道も防犯上、壊れてしまったドアや
窓などを修理しないといけません。

津波の被害にあった地域では、敷地内にガレキが散乱していたり、道路脇のガレキが
邪魔をして普通に修繕工事を行うのと比べると思うように工事ができないという
現状もありました。

しかし、一日でも一時間でも早く安心できる空間を復活させないといけないという
思いと作業の進行のバランスがとれずに歯痒さと苛立にも似た感情も生まれてました。

いくら今までの現状が違うと言っても私たちのできる範囲で、一軒一軒確実に
そして丁寧にやっていく事が私たちの今できる精一杯の事ですし、思いでもあります。

正直にお話しますが、現在は今お話しさせていただいたお客様のように、
1年後、3年後、生活できなくなってしまうような工事が必要なお宅や、
今すぐに工事をしないと倒壊などの二次災害の起きる可能性があるような
緊急を要した工事を優先的にさせていただいているのが現状です。

お客様に対して優先順位や順序をつけるという事は絶対にやるべき事ではないと
重々わかってはおります。お叱りのお言葉を頂くことも覚悟しています。

ですが、今までに経験した事のない大きな震災が起こった現在、その気持ちを
押し殺して住んでいる方々の安全を重視した工事を優先してさせていただいて
いるというのが正直な現状です。

ですが、地震によって傷を負った家が、地震前と比べて100%安全だとは
言い切れないのも事実です。そのためにできるだけ早く皆様の注文に
答えられるような体制を整えていこうとも考えております。

でも、伊藤建設のクオリティーを下げる事なく体制を整えるのも正直難しい
部分もあるのも事実ですし、私たちの仕事は「人」が作り上げるものです。

機械ではないので、体力の限界、疲労による能力の低下もございます。

少し会社の自慢になってしまいますが、事務所は津波の被害に遭い3月18日に
今の仮設事務所に引っ越しました。その日から

「復興のためですから…」

といってほとんどのスタッフは最近まで不休で仕事をしていました。

何名かは体調を壊し倒れるまで頑張ってくれたという現実もあります。

被災地お住まいの方々の思いを考えるとこんな事を言ってはいけないと
思いますが、過酷な状況でこれ以上、不休で仕事をするのには限界が
見えてきました。

中には被災したスタッフもいます。そのスタッフも最近まで不休で
頑張っていたのですが、家族の事や自分のこれからの生活のために
休みを取ることも必要です。

先ほどもお話ししたのですが、疲労の蓄積した体で工事を続けていくのは、
工事の品質もスピードも下がってしまいますし、事故の起きる可能性も
高くなってしまいます。

ですので、今工事のご依頼していただいているお客様、これから伊藤建設を
信頼して工事をご依頼してくれるお客様にはこのことだけは言って
おかなくてはいけないと考えています。

「すぐやります」「できます」と口で言うのは簡単ですが、今までお話した事が
今の現状ですので、今すぐ工事できるのは緊急を要する工事だったり、二次災害が
起こる可能性がある工事を優先させていただいております。

ですので、時間がかかると思いますし前のようには戻らないかもしれませんけど、
あなたが震災前のように安心して生活して、家族の笑顔が戻るように精一杯復旧の
お手伝いをさせていただく、その気持ちを忘れずに頑張っていきます。

皆様には本当にご迷惑やご不安な気持ちにさせてしまって申し訳ございませんが、
これから精一杯やっていきますのでどうかよろしくお願いいたします。


平成23年7月20日
社長名_2.png


追伸:

震災後に私自身が気がついた事なのですが、不休で4ヶ月近く文句も言わず
頑張ってくれるスタッフに囲まれた伊藤建設です。

そのようなスタッフ達は、本当に良い家を建てる事ができると思います。

自分の会社の事を褒めるのはおかしいかもしれませんが、私たち伊藤建設は
これからも健康にいい家を建て続けていきます。


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